TEPIA 一般財団法人 高度技術社会推進協会

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経過・結果レポート

TEPIAロボットグランプリ2016 レポート②

2016.12.13

TEPIAロボットグランプリ2016 レポート②
採択チーム成果発表 午後の部のレポートをお届けします。

午後のトップバッターは、
京都府立桃山高等学校 グローバルサイエンス部の m-Snakerです。
プレゼン桃山2
目指したのは、柱を距離センサで感知し巻きついて登るヘビ型ロボット。
ロボット開発初挑戦のチームで、柱に自力でしがみつくところまで完成していない状態での実演となりましたが、8両で構成されるヘビ型ロボットを形成するまでに成長した成果を発表しました。
プレゼン桃山3
スタート時はDCモーターとサーボモーターの区別もできなかった、という彼らですが、
設計を考え、開発期間中にプログラミングを学び、3Dモデリングソフトを使って部品を自分たちで出力できるまでになりました。
「しくみやプログラム、組み立て、すべてがチャレンジそのものでした」。
プレゼン審査員
「あるものを組み合わせるのはやりやすいが、ちゃんと自分たちで設計し、3Dプリンターで出力したというのは、良く頑張った。
まだ課題はたくさんあるけれど、ひとつひとつ解決してこれからもぜひ頑張ってほしい」と竹西審査員からも彼らの“挑戦”にエールが送られました。

続いて、
山口県立防府商工高等学校 メカトロニクス部の「たぬ防くん」。

実演防府1
高層ビルの屋外にワイヤーメッシュのような構造物を取り付け、それを昇降して救助活動を行うロボット。
ワイヤーメッシュを昇降する方法を試行錯誤し、それを実現した3機のたぬ防くんを披露しました。
回転運動、クランク機構、サーボモーターによる昇降。
一番苦労したという、ツメを掛けながらメッシュを登る4脚のたぬ防くんも含め、3機がメッシュを昇降する様子を実演しました。

プレゼン山口防府
プレゼンテーションでは、試作機を作り、問題点に向き合い、試行を繰り返して具体的な改善策を見つけながら開発をしてきた変遷を発表しました。
「いろいろ考え実験し、不具合を改善していくプロセスは素晴らしかった」と、永塚審査員。

続いて、
洛星高等学校 ロボット同好会の「のぼルンバ」。
スタートボタンを押すと自律で動き階段を掃除するロボットです。
ロボット洛星
階段の最上段をロボットが自分で判断し、下りながら掃除をします。
モップタイプ、ブラシタイプなど様々な掃除ユニットも付け替えられ、液晶画面やボタンも搭載。
階段を上るアームを独自開発し、回路設計、基盤のハンダ付け、上下に動かすギヤのジュラルミン加工も自分たちで行いました。
実演洛星

プレゼン洛星1
古田審査委員長は「プレゼン、実演、感動しました。
機械と電気とエレクトロニクスがちゃんと融合していて、3人が共に作っているところがすごい。
実用化への課題もしっかり把握しているところが素晴らしい」と感心しきりでした。

続いて、
東京工業大学附属科学技術高等学校 10期機械科チームDiReのロボット「Dire」。

実演東工大1
災害現場の斜面と段差を越えられるロボットづくりを目指しました。
プロペラが回り、摩擦力で機体を壁に押しつけ移動するという新しいアイデア。
機体の部品類やリモコンの基盤なども自作です。
プレゼン東工大4
実験を重ねデータを元にしっかりと作り上げていった過程が伝わります。
「技術は間違いなく面白い。技術力もすばらしい。面白い技術だからこそ、災害現場でなくて、いろいろ使い方を工夫したらもっともっといいと思う」と、
センシング機能なども積んで、このロボットの開発にさらに磨きがかかることを期待する古田審査委員長のコメントがありました。

ラストは、
独立行政法人国立高等専門学校機構 沖縄工業高等専門学校 ロボット製作委員会の
Multi Searcher。
ロボット沖縄高専
震災現場でいち早く人を救出するためのドローン。
自律飛行でドローンがルートをくまなく捜索し、被災者を発見するとタグを投下し周囲に知らせ、本部にGPS情報を発信する、というアイデアです。
実演沖縄
すぐに飛び立ち、被災者を発見しただちにタグを射出、タグを射出後も再び捜索する様子を実演。
ドローンの制作技術の高さは会場でも高い注目を浴びていました。
プレゼン沖縄2
「災害に役立てたいというモチベーションがすばらしい。実用化は近いと思う。」と、
社会の要請に応える課題設定と具体的な機能開発の実現に皆が高い関心を寄せました。
「人手不足の災害現場では、“自律化”というのは結構ポイントだと思う。
カメラを使って人を見つけるというのは非常に難問だが、ぜひ技術チャレンジを続けていいものを作って、人を助けてほしい」と古田審査委員長。

このように、午前・午後とも10チームの素晴らしい実演とプレゼンテーションが続き、
「TEPIAロボットグランプリ2016」はいよいよ審査・表彰式へと進んでいきました。

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