TEPIA 一般財団法人 高度技術社会推進協会

TEPIA 先端技術館

経過・結果レポート

ロボットグランプリ2017レポート①

2017.12.13

2017年11月4日(土)、TEPIAチャレンジ助成事業の成果発表大会「TEPIAロボットグランプリ2017」が
TEPIA先端技術館 3階エキシビションホールで開催されました。

第2回目となる2017のテーマは「学校で活躍するロボットを開発せよ!」。
全国から採択チームの全11チームが集まり、ロボットの実演とプレゼンテーションにより開発成果を披露しあいました。

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今年も審査委員長に千葉工業大学未来ロボット技術研究センター所長 古田貴之氏をお迎えし、
開会式でご講演いただきました!

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【午前の部】
①郁文館グローバル高等学校 STEMゼミ
「学園天国~無秩序という障壁」

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自分が好きなものについて研究や行動をする授業の一環で、メンバーの皆さんは今回のロボット開発に挑戦しました。

学校の食堂や教室の乱れた椅子に着目し、
「所定の位置からずれた椅子を元に戻すロボットがいれば、見た目にも美しく、快適な空間を保つことができる。
また、そういうロボットが作られていると知られることが、他の生徒たちの(椅子をしまうということへの)意識を高められるのではないか」
と、考え出されたのが今回のロボットです。

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ダンボールで作った模擬椅子を、底から持ち上げて移動するしくみを説明。
着眼点への評価や駆動系の位置へのアドバイスなどがあったので、ぜひ引き続き勉強し開発を続けてください!

②青森県立十和田工業高等学校 電子機械科
「自動ライン引きロボット」

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体育の先生やサッカー部、野球部の監督から、ライン引きの大変さを聞いたメンバー。
使用者の負担を減らすラインカーロボットを開発するために、近隣の中学校にヒヤリングも行いました。
直線を引く、90度にまがる、四角形を引く、ということを目指し、試作機の問題点を着実にクリアしていく試行錯誤のプロセスをプレゼン。
問題を分析し設計の修正と機能改善を繰り返したこと、今後の課題の洗い出しまでしっかりとできていることが高評価されました。

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ボタン操作で距離をディスプレイに入力すると、自律でラインが引ける様子を実演。
白くまっすぐなラインを描き、直角に曲がりました。
「マッピング(SLAM)という、自分の位置を測定しながら地図をつくるって、最先端の技術で、やっていくと絶対に位置はずれるし、真四角にならないし、終点もずれる、これは非常に高度なこと。
でもそれを皆さんは、一個一個、例えばモーターの制御が重要だ、表示部をなんとかしなきゃいけないと、一個一個課題をみつけてそれをちゃんと解決してプロトタイプを地道につくっていった。一個一個の積み重ねですからね、すばらしいです。」と古田審査委員長。

③神戸市立科学技術高等学校 機械工作部ROBO
「HAKOroid」

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実習や移動教室で、年配の先生が重い荷物を持って運んでいるのをよくみかけ、生徒のかわりに先生の運搬を手伝えるロボットを作れないか、と考え、自動で人についていく・階段走行もできるものの開発を目指したHAKOroidチーム。
階段の走行のために、展開車輪やロッカーボギーリンクなどさまざまな機構を応用し挑戦しました。
階段走行は期間内に達成できませんでしたが、自動追従のために必要なセンサリングの部分を重点開発したことをプレゼン。

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ハコ形ロボットに人が近づくと、なんとハコ部分がパカッと開きます。
書類を入れるとハコが閉じ、生き物のように小刻みに動いてついてきます。人にだけ反応するセンサーをみつけるのに試行錯誤した成果を披露。
センサーは種類によって様々な得意不得意があるので適したものを見つけていくといい、という審査員のアドバイス。
さすがの加工技術に、センサリング技術も加わった同校の今後がますます楽しみです!

 

④京都府立桃山高等学校 グローバルサイエンス部
石拾いロボット「SP-Mo1.GS」

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メンバー全員が開発初心者で、短い活動時間の中、グラウンドの土を削らず小石だけを効率よく拾うロボットを開発するために、
ハード、ソフト、ローラーの3つの班に分かれてそれぞれが勉強し、開発の効率をあげました。
地磁場センサやキャリブレーションのプログラムなど様々なことを勉強し、実用面でも、石の大きさによってひっかかって止まらないローラーの機構の工夫や、集めた石を簡単に取り出せる工夫、雨砂から装置を守る工夫など細部にまで検討を重ねたロボットとなりました。

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地磁場センサで向きを調整し、方向の修正プログラムを組んだロボットが、落ちた小石を集めながら自律走行します。
集めた石は機体の真ん中のトレイに集まり、簡単に回収できるようにしました。
チームプロジェクトの進め方や様々な学びがあった今回の開発で、同校の大きな飛躍を感じた開発成果発表でした!

⑤長野県松本工業高等学校 電子工学部  よろずくん開発チーム
「よろずくん」

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マインドマップという手法で学校内の問題についてアイデアを出し合い、出てきた100以上のアイデアから、ロボットが代行可能な4つの仕事、「伝言・配達・呼び出し・案内」を抜粋。4つの事柄はささいな問題だが、組み合わせてロボットに代行させることで、先生や生徒の負担が減り学校生活がより豊かになると考え、「よろずくん」が生まれました。

基礎技術を習得していても、様々な技術を組みあわせてものを作るのは難しいもの。
また今回は新しく、衝突防止機能を画像処理(Unity)で行いたいと、今も研究を続けています。
紙媒体での情報のやりとりがいまだに多いアナログな学校というフィールドで使うことから、プリンター機能も搭載しました。

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実演では、配達機能で指定した教室にチョークを運ぶ様子を披露。他の教室では停まらず、指定した「223」に走行し停止します。
人が通ると接触防止でストップします。仕事を終えると自分で元の場所に戻り、音声機能やプリントアウト機能も実演されました。
システム設計からちゃんとロボットを作り形にしているところが高評価でした!

⑥茨城県立土浦第一高等学校 電子通信部
「ハコブくん」

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文化祭の準備では、大きなものから小さいものまで、荷物の移動がとても多く、時間や人手を取っており、
今回、電子工学分野へ初めての挑戦ながら、2台を同時に動かしてどんな大きさの荷物でも運べるロボットの開発に挑戦。
地元企業にご協力をいただきながら、難しいプログラミングやハードの構築にチャレンジしました。

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ダンボールを2台のロボットにセットすると、2台が通信し連動して、ライントレースで目的地へ運ぶロボット、
実演では想定した動きが披露できないながら、2台の連携方法などを説明すると、
「2台の役割分担、面白いですね。このアイデアはなかなかすばらしい!」と感心する古田審査委員長。
アイデアとその実現にむけて着実に方法を調べ知識を吸収する速さなど、彼らのポテンシャルに大いに期待しています!

6チームの発表を終え、【午前の部】は終了しました。
【午後の部】のレポートも近日公開します!

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